皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

体質面での成長性を分析するためには、④売上総利益(粗利益)の増加率、⑤付加価値の増加率、⑥営業利益の増加率、⑦経常利益の増加率、⑧自己資本の増加率を見ます。

基本となる前年対比の計算式。

④売上総利益増加率(%)=今期売上総利益÷前期売上総利益×100

⑤付加価値増加率(%)=今期付加価値÷前期付加価値×100

⑥営業利益増加率(%)=今期営業利益÷前期営業利益×100

⑦経常利益増加率(%)=今期経常利益÷前期経常利益×100

⑧自己資本増加率(%)=今期自己資本÷前期自己資本×100

これらの計算式も、分母を3~5年前の基準年度に換えることで、3~5年間にわたる成長性を見るための計算式として応用することができます。

ちなみに⑤の「付加価値」は、厳密には製造業で「加工高」として使う言葉ですが、商業サービス業では「売上総利益」とほぼ同じものと考えて差し支えはありません。

⑧の「自己資本」は純資産ともいい、当期利益のなかの内部留保の増加を見ます。

「内部留保」は、いわゆる「剰余金」のことで、当期利益から配当金や役員賞与などを引いたものです。

増資があれば、そのぶん自己資本は増えますが、営業活動によって増えたものではないので、これを外したほうが、実質の増加を見ることができます。

会社が体質面でバランスよく順調に成長するための条件は、売上高成長率より売上総利益増加率や付加価値増加率が上回ってこと。

また売上総利益増加率や付加価値増加率より営業利益増加率が上回り、営業利益増加率より経常利益増加率が上回り、そして経常利益増加率より自己資本増加率が上回ることが理想的な成長といえます。

売上高成長率<売上総利益増加率≦付加価値増加率<営業利益増加率≦経常利益増加率<自己資本増加率