皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

「永続企業体」という言葉があります。

人間の命には限りがあるけれど、企業の命は永遠であるという意味です。

実際、100年、200年も継続している企業は数多く存在します。

一方で、「会社の寿命は30年」ともいわれます。

この一見矛盾したテーマに、私たちはどう対応していけばよいのでしょうか?

私はこう考えます。

これらの言葉の意味するところは一つ。

「企業は成長し続けなければいけない」のではないでしょうか。

成長し続ける会社は、永遠に存続することができるのかもしれません。

しかし、途中で成長を止めてしまった会社は、どんな優良企業でも、いずれ衰退を始めます。

そして30年もたてば消えてなくなってしまうのかもしれません。

いずれにしても、長生きするために不可欠なのは健康です。

企業も人間も、病弱では厳しい時代を生き抜くことができません。

人間には、身体は大きくてがっしりしているけれど、冬になると風邪をひきやすいとか、暑いとすぐ夏バテしてしまう人がいます。

体格は立派でも、体質的に弱いのでしょう。

逆に、身体は小さいけれど、丈夫で風邪ひとつひかないという人もいます。

体格的には少々見劣りしても、体質的に強いのです。

このような特徴は、企業体にもそのままあてはまります。

企業の場合、たとえば、売上が「体格」、利益が「体質」です。

売上は大きいけれど利益が小さい会社もあれば、売上はさほど大きくないけれど利益率のよい会社もあります。

企業が長生きするためには、体格面と体質面の両方で、バランスのとれた成長を実現することが必要です。

そして、あなたの会社が「バランスよく成長しているか」を教えてくれるのが、成長性の分析です。

安全性の分析で財務体質がよいと判断されても、あるいは収益性の分析によって十分な儲けがあるとわかったとしても、その会社が順調に成長しているかどうかはわかりません。

「永続企業体」として、これからも会社が存続していけるか判断するためにも、安全性、収益性に次いで、かならず成長性の分析を行わなければなりません。

収益性と成長性は、企業が発展するための推進力であり、クルマの両輪のような関係にあります。

収益性と成長性がともに良好なら、その会社はきわめて健康で、財務面でも安定しているはずです。

逆に、もし安全性に問題があるようなら、収益性か成長性のどちらかに課題を抱えているものです。

成長性の分析では、体格面の指標として従業員数、総資本、売上高の変化を、た資質面の指標として利益増加率や自己資本増加率の変化などを見ます。

ただし、1~2年間のデータだけを見て前年比較しても意味がありません。

どの指標でも、原則として3~5年の変化を見るようにしてください。