皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

収益性を見るための指標は、総資本経常利益率だけではありません。

売上に対する利益率が悪いこともあります。

「売上は上がっているのに、儲けが少ない」状態です。

「売上高のうち利益として残るのはどれくらいか」を見る指標としては、

売上高経常利益率、売上高営業利益率、売上総利益率などがあります。

それぞれ売上高に対する経常利益の割合、営業利益の割合、総利益の割合を示していますが、なかでも重要なのは売上高経常利益率です。

経常利益を売上高で割り、100をかけることで求められます。

売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

売上高に対する経常利益の比率ですから、

総資本経常利益率と同様、

営業外収益がいちじるしく大きい企業では売上高経常利益率も大きくなりますし、

多額の借入があって支払利息に利益が圧迫されている企業では低くなります。

一般には5%以上が目標とされ、これより数値が低い場合は「売上の割に儲けが少ない」と考えるべきでしょう。

さて、問題のB社ですが、42期の損益計算書を見ると、売上高が2億3915万1000円、経常利益が68万5000円ですから、売上高経常利益率は約0.28%。

やはり、かなり低い数値となりました。

では次に、売上高営業利益率を見てみましょう。

営業利益は、売上総利益から人件費、販売費、管理費などの経費を差し引いたものです。

これは日々の営業活動の成果ですから、本業の利益と考えることができます。

「売上高営業利益率」は、その営業利益が売上高に占める割合を示す指標で、営業利益を売上高で割って100をかけることで求められます。

売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

売上高営業利益率の平均的な数値は業種や業態によって違いますが、6%以下はほしいところです。

6%以下の場合は、人件費、販売費、管理費などの販売経費をかけている割に儲けが少ないことを意味しています。

そこでふたたびB社の損益決算書を見ると、

42期の売上高は2億3915万1000円、営業利益は1057万3000円ですから、約4.4%。

目標の6%には達しませんが、さほど悪くはありません。

返済条件変更によって、今後2年間、借入金の負担が半減することを考えれば、十分に立て直せる下地はありそうです。