皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
B社42期の経営安全率はどうでしょうか?
(千円)
売上高 239,151
費用分解
・変動費 142,892
・固定費 95,555
限界利益=239,151-142,892=96,259
限界利益率=96,259÷239,151≒40.2%
損益分岐点売上高=95,555÷40.2%=237,699
経営安全率=(売上高-損益分岐点売上高)÷売上高=(239,151-237,699)÷239,151≒0.6%
0%以下 赤字企業
5%未満 危険(注意が必要)
6%~15% 普通(最低限の目安)
16%~30% 優良(目標としたいライン)
31%~49% かなり優良(検討できる企業)
50%以上 極めて優良(理想的な企業)
まず、B社の42期の決算書から費用分解を行った結果、固定費が9555万5000円、変動費は1億4289万2000円となりました。
売上高の2億3915万1000円から変動費の1億4289万2000円を引くと、9625万9000円。
これがB社の限界利益です。
したがって、限界利益率は、9625万9000円を売上高の2億3915万1000円で割り、100をかけたものですから、約40.2%となります。
前回のA社と比べると、20%以上、低い数値となってしまいました。
損益分岐点売上高は、固定費の9555万5000円を限界利益率の40.2%で割った2億3769万9000円。
A社とB社の売上規模はほぼ同じですが、A社の限界利益率63.1%に対してB社の限界利益率は40.2%。
また、A社のほうが固定費が高いにもかかわらず、損益分岐点売上高はA社が2億1694万9000円、B社が2億3769万9000円であり、A社の方が低くなっています。
B社と比べて低い売上でも収支がとんとん、あるいは利益が得られるということです。
ポイントはやはり、限界利益率の差でしょう。
製造業の場合、付加価値イコール限界利益だとお話ししましたが、A社の限界利益がB者の限界利益率を20%以上も上回っているということは、A社がそれだけ付加価値の高い仕事をしていることを示しているのです。