皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

ご存知のように、1990年頃のバブル期には多くの中小企業が投資目的で不動産を購入したり、本業以外のビジネスを始めたりしました。

私がよく知っている会社のなかにも、自社社屋以外にビルを建て、レストラン経営を始めたところがありました。

しかし、バブル崩壊とともにレストラン経営は破縦、残ったのは1棟のビルと6億円の借金でした。

本業部門の売上が約2億円という中小企業に、年間2100万円という支払利息が重くのしかかってきました。

ビルを貸すことで年間1800万円の家賃収入が入るようになりましたが、それでも毎年300万円の赤字です。

やがて店子が撤退すると家賃収入も途絶え、資金繰りはさらに苦しくなりました。

でも、私はかならず立て直せると確信していました。

「命さえあれば、必ず蘇える」というのが私の信念です。

ただし、会社がこのような苦境を脱して蘇えるためには、何としてもやり遂げなければならないことがありました。

まず、固定資産の洗い出しを行い、それらが付加価値を生み出しているかどうかを確認します。

十分な価値を生んでいない固定資産がある場合には、より大きな付加価値を生み出す方法を検討しなければなりません。

選択肢のなかには、遊休資産を思い切って売却したり、買い換えることも含まれるでしょう。

遊休資産の売却は資金繰りの改善をもたらします。

ただし、売却資金を運用する際には、借入金の返済を優先しなければなりません。

借入金を減少できてこそ。総資本がスリムになって、支払利息の負担も軽減できるのです。

その結果、経常利益が改善し、総資本経常利益率と売上高経常利益率も改善するはずです。