皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
この会社の社長も、ついにビルの売却を決意しました。
この頃には借入金も5億円くらいになっていましたが、ビルの売却時の評価損は約2億3000万円でした。
そのうち2億円を借入金の返済に充て、残り3000万円は運転資金に充当し、その資金で経営の立て直しを図りました。
それによって借入金の残額は3億円、支払利息も1500万円に減りました。
年間売上2億円の中小企業にとって、1500万円以上の営業利益を出すのは楽なことではありません。
しかし、社長は私のアドバイスを素直に聞き入れてくれました。
社員たちも状況をよく理解し、がんばって働きながらもコスト削減に努めました。
その結果、ついに営業利益1600万円を達成。
一方では、社長と社長夫人が銀行と粘り強く交渉して金利などの条件変更に成功し、支払利息を1300万円まで減らすことができたのです。
現在の同社は、支払利息の1300万円を負担しながらも、プラスの経常利益を出しています。
ようやく長いトンネルの出口が見えてきました。
このエピソードが教えてくれるのは、きちんとした見通しのないまま設備投資を行うことの怖さです。
何の付加価値も生み出さない遊休資産を抱え込んでしまったら、本業でいくら利益を出しても、「負の遺産」に大切な利益を吸い取られ、長く苦しむことになります。
だからこそ、生産性の分析がきわめて心要なのです。