皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
(手順3 変動比率を出す)
固定費と変動費の分解が終わったら、変動費の総額を計算し、「変動比率」を求めます。
変動比率は、変動費を売上高で割り、100をかけることで求められます。
変動比率(%)=変動費÷売上高×100
(手順4 限界利益率を出す)
「限界利益」は、売上高から変動費を引いた金額です。
したがって、変動比率が小さいほど、限界利益は大きくなります。
一方、見方を変えれば、限界利益は固定費と利益を足した金額でもあります。
限界利益=売上高-変動費=固定費+利益
「収支がとんとん」とは経常利益ゼロのことですから、「限界利益=固定費」の状態ということになります。
「限界利益率」は、限界利益が売上高に占める割合を示す指標であり、限界利益を売上高で割り、100をかけることで求められます。
あるいは、変動費を売上高で割った金額を1から引き、100をかけることで求められます。
限界利益率(%)=限界利益÷売上高×100=(1-変動費÷売上高)×100
(手順5 損益分岐点売上高を出す)
固定費を限界利益率で割ることによって求められるのが「損益分岐点売上高」。
つまり、「それ以上なら黒字、それ以下なら赤字」という分かれ目の売上高です。
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
経費分解から始まる一連の作業の目的が、ここでようやく達成されることになります。
損恭分岐点売上高は「収支がとんとん」の売上高ですから、当然、低いほどよく、少なくとも現在の売上高(または目標)より低くなければなりません。
現在の売上高より高い場合はすでに赤字に陥っていることを示しています。
(手順6 経営安全率を出す)
損益分岐点売上高と現在(または目標)の売上高を比較した数値が「経営安全率」です。
会社の財務状態にどれほど余裕があるかを示す指標で、損益分岐点売上高を現在(または目標)の売上高で割り、100をかけることで求められます。
経営安全率(%)=損益分岐点売上高÷現在の売上高×100
損益分岐点売上高<現在の売上高
※損益分岐点売上高と現在(または目標)の売上高との比較を経営安全率といい、100%から経営安全率を差し引きその差が大きいほど余裕があるといえる
現在の売上高が損益分岐点売上高とちょうど一致しているとき、経営安全率は100%になります。
この数値は低いほど、会社の財務状態に余裕があることを示しています。
たとえば90%なら、売上が10%減っても「収支とんとん」ですから、赤字にはなりません。
目安としては、90%以下に抑えたいものです。
(手順7 前年度と比較してみる)
損益分岐点売上高と経営安全率を前年度と比較し、経営改善が順調に進んでいるかどうかを調べます。
損益分岐点売上高-昨年の損益分岐点売上高=差異
経営安全率-昨年の経営安全率=差異