皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

平成20年のリーマンショック以来、日本の製造業は大きな打撃を受けました。

資金力のない中小企業が会社を維持するためには、ロットが小さくて生産性の低い仕事も受注せざるを得ないのが実情です。

それでも、機械設備の稼働率はいまだに3分の1程度、よくても2分の1だと聞いています。

「低コスト」「高品質」「短納期」は、製造業にとって三種の神器のようなものです。

大量生産、低コストのニーズに対応するには、人件費の安い中国などで海外生産を行うしかないという状況はありますが、製造業である以上、やはり生産性の向上と高品質をめざすための設備投資は必要です。

設備投資には、その目的によって合理化投資、省力化投資、拡張投資、製品投資、戦略投資、製品開発投資などがあります。

ただし、いずれの場合も付加価値を高めることを目的としなければなりません。

さて、設備が効率よく稼働しているかどうかを見る指標が付加価値であり、製造業では限界利益、サービス業などの場合は売上総利益と同じだとお話ししました。

資本生産性を見る場合、それぞれの計算式は次のようになります。

製造業の付加価値(限界利益)は、売上高から変動費(期首棚卸高と材料仕入費と外注費を足して期末棚卸高を引いた金額)を引いたものであり、資本生産性は付加価値を機械設備で割ることで求められます。

付加価値(限界利益)=売上高-変動費(期首棚卸高+材料仕入費+外注費-期末棚卸高)

資本生産性(倍)=付加価値÷機械設備

一方、サービス業など商業の場合、付加価値は売上高から売上原価(期首棚卸高に製品仕入高を足したものから期末棚卸高を引いた金額)を引いたものであり、資本生産性は付加価値を有形固定資産で割ることで求められます。

付加価値(売上総利益)=売上高-売上原価(期首棚卸高+製品仕入高-期末棚卸高)

資本生産性(倍)=付加価値÷有形固定資産

これらの計算式から、資本生産性を高めるためには、付加価値率と固定資産回転率の向上が必要であることがわかります。

資本生産性=付加価値/固定資産=付加価値/売上高×売上高/固定資産