皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
ある建築会社の社長が突然、亡くなり、社長夫人が新社長に就任したときの話です。
前社長は亡くなる前、4000万円で大型の建設機械を購人していました。
しかし、その直後から公共工事の受注が減り、しかも受注した工事は小規模なものばかりです。
そのためせっかく購入した機械も放置されたままでした。
長くからいる幹部社員たちは、「前社長の思いが詰まった機械なのだから、そのままにしておきたい」と言います。
新社長にも、その気持ちはよくわかりました。
しかし、彼女は「社長夫人革新講座」の受講生でしたから、その機械が遊休資産になっていることに気づいたのです。
新社長は悩んだ末、その機械を処分すべきかどうか私に相談がありました。
私はこう答えました。
「高価な機械を放置して使えなくなるのを待つよりは、小型で使いやすい機械に買い替えて回転率を上げ、付加価値を生み出すほうが、前社長も喜ばれるのではないでしょうか」
たとえ前社長の思いがどれほど詰まっていても、まったく価値を生み出さない資産を維持し続けるのは非生産的です。
新社長は決心し、その機械を売却して小型の機械に買い替えました。
今ではその機械が十分回転しているようです。
ここでお話しする「資本生産性」は、機械設備などの有形固定資産がどれだけ付加価値を生み出しているか、つまり設備投資効果を見るための指標です。