皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
ある観光関係の会社の社長夫人Aさんと一緒にお昼を食べていたとき、
Aさんがちょっと不満気にもらしました。
「私の役員報酬は月に8万5000円なんですよ。社長夫人って言っても、そんなものなんですね・・・」
8万5000円・・・この金額にピンときた方は多いでしょう。
社長夫人が報酬を得ても申告する必要がなく、夫つまり社長の扶養家族として認められる限度額です。
「社長夫人」という言葉から、裕福で優雅な暮らしをしている特権階級の女性を思い浮かべる人がいるかもしれません。
とんでもない。
中小企業の社長夫人のなかには、Aさんに限らず、わずかな報酬で必死に働いている人がたくさんいます。
Aさんだって、決して怠け者の社長夫人ではありません。
事務仕事や電話番だけでなく、オフィスの掃除からさまざまな雑用まで、
本当によく働く社長夫人です。
それなのに毎月の報酬が、わずか8万5000円とは・・・。
たしかに気の毒な気もします。
しかし私は、Aさんに向かってあえて厳しいことを言いました。
「あなた、会社の決算書、見たことがあるの?」
「見たことくらいありますよ。よくわかりませんでしたけれど」
「じゃあ、一緒に読んでみましょうか?
そうすれば、どうしてあなたが8万5000円しかもらえないかがわかるはずよ」
答えは明らかでした。
Aさんの会社はここ数年の業績不振によって財務状態が悪化し、大幅な債務超過に陥っていたのです。
「あなたは社長夫人なのに報酬が安いというけれど、会仕はこんな状況なのよ。
それ以上は、払いたくても払えないの。
『社長夫人』なのにではなく『社長夫人だからこそ』
あなたにはもっと他にやるべきことがあるんじゃないかしら」
そして私はAさんに、「社長夫人革新講座」のなかで教えている
「社長夫人が戦力になるための心構え」について説明しました。
次回に続く