皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
発生主義とは、
その月の経営活動に関わる売上や費用などを、実際には現金が動いていなくても、
その月のうちに計上する方法のことです。
通常、企業間の取引では売掛金や手形を用いることが多いため、
実際に現金化されるのは一定の期間を置いた後ということになります。
これに対し現金主義とは、実際に現金による支払いが行われた月に計上されます。
一見、現金主義のほうがすっきりしてわかりやすいようにも思えますが、
支払いが2ヶ月も3ヶ月も遅れた場合など、計上するのもそれだけ遅れますから、
何のための経費だったのか、収支が見えにくくなってしまいます。
経埋には「費用と収益の対応の原則」というのがあります。
今月の売上にかかった費用は、たとえ支払っていなくても(=現金の移勣がなくても)、
「未払い費用」として計上すべきでしょう。
毎日の決算はきちんと行っているのに、月次決算のできていない会社もあります。
年次決算のたびに帳簿や伝票の束をひっくり返し、人騒ぎをしている会社も多いのですが、
そんなことになるのも月次決算ができていないから。
月次決算ができている会社では、年次決算もほとんど自動的に終了します。
つまり、日次決算や月次決算は制度会計上の年次決算を円滑に行うために欠かせない準備作業と言えるのですが、ほんとうはもっと大きな意味があります。
管理会計のための資料づくりともなっているのです。
そうした作業のすべてを社長夫人が自分で行えば、社長が何かを知りたいとき、
すぐに資料を示して助言することができるでしょう。
そうなれば社長はいつでも会社の経営状況を知ることができ、
タイムリーで的確な経営判断をしやすくなるはずです。