皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。

 

 

社長夫人が行うべき決算業務について、具体的に説明していきましょう。

まずは日次決算です。

これは毎日の取引や現預金の出し入れの記録です。

具体的には、領収書や証憑書類(伝票類)の整理、現金の入出金の記帳、普通預金および当座預金の記帳と照合などが含まれ、原始記録の管理も行います。

原始記録とは契約書、受注書、発注書などの取引を裏づける元となる資料のことです。

これらの作業は、すべての会計業務の基本です。

こうした日次決算を毎日きちんと行っていれば、月次決算も年次決算もほとんど自動的にできてしまいます。

日次決算を30日分積み上げたものが月次決算、その月次決算を12ヶ月積み上げたものが年次決算だからです。

大切なのは、毎日の取引を毎日処理するという習慣なのです。

すでに述べたように、日々の作業は専従の経理事務員に任せるほうが好ましいのですが、

あくまで社長夫人の管轄下にあることを忘れてはいけません。

信頼できる経理事務員を育てるのも社長夫人の仕事です。

ただし、優秀なベテラン経理事務員がいる場合には、思い切って権限を委譲すべき場合もあります。

社長夫人のなかには、経理事務員と張り合おうとして人間関係を悪くする人もいますが、ばかげた話です。

社長夫人と経理事務員では立場も役割も違うのです。

優秀な経理事務員がいて日次決算を任せられるのなら、こんなありがたいことはありません。

社長夫人はもっと別なことにエネルギーを注げます。

次に月次決算では、1ヶ月分の売上と売掛金、仕入れと買掛金、未払い経費などを計上し、

各科目について帳簿残高と実際の残高を照合します。

それらにもとづき月次の試算表(貸借対照表と損益計算書)を作成します。

試算表は、遅くとも翌月の5日から7日までには作成したいものです。

なお、売上や原価、費用の処理については「発生主義」と「現金主義」がありますが、

発生主義で処理するほうがよいでしょう。

次回に続く