皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

今日は、A社の成長性を見てみましょう。

 

19期を基準年度として、22期までの4年間の趨勢で分析します。

私が経営改善のお手伝いをするようになったのは、21期からです。

B社の場合と同様、体格面から見ていきます。

①人員増加率は、22期に1人減ったため、96.0%に低下

②総資本増加率は、21期に84.7%まで低下し、22期も86.6%

③売上高成長率は、20期に131.%に上昇したが、21期には100.2%と低下し、22期は116.7%

まず目につくのは、20期に売上高成長率が大きく伸びたことです。

しかし、19期と21期の数値がほぼ同じことから見ても、これは特別な要因による一時的な現象でしょう。

ほんとうの意味で成長路線に入ったと言えるのは、22期に116.7%を達成してからです。

また、21期に総資本増加率が低下したのは減価償却による固定資産の減少と売掛金の減少で資金調達することができ、それに加え19期から21期にかけて約1600万円の剰余金の増加によって他人資本である買掛金・長期借入金(代表者借入金)の返済ができたために総資本の減少が可能となったからです。

その結果、総資本増加率が人員増加率より低くなってはいますが、キャッシュフロー全体としてのバランスは非常に改善されました。

次に体質面を見てみます。

④売上総利益増加率も、20期に133.5%まで大きく上昇した後、21期に104.6%に低下し、22期に124.5%とふたたび上昇

⑤営業利益増加率は、20期に7710%と極端な上昇。21期に401.4%まで低下したものの、22期にはふたたび4154%まで上昇

⑥経常利益増加率は、20期に248.6%まで上昇した後、21期には74.0%に低下。22期にふたたび149.2%まで上昇

⑦自己資本増加率は、22期までほぼ順調に133.2%まで上昇

やはり20期に極端な変化があるものの、これを一時的な現象と見れば、売上総利益増加率、営業利益増加率、経常利益増加率、そして自己資本増加率のいずれも伸びています。

売上だけでなく「儲ける力」も順調に伸びていることがわかります。

それぞれの成長バランスを見ると、営業利益増加率より経常利益増加率が低くなっています。

これは、基準年度である19期の営業利益が21万3000円と極端に低いのに対して、経常利益の金額が718万7000円と高かったためです。

経常利益が高かった原因は、保険などを解約することで719万7000円の営業外収益があったためです。