皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
「流動比率」は、短期的な支払い能力を見るための指標です。
流動比率=流動資産÷流動負債×100
1年以内に支払わなければならない流動負債の支払い手段として、
1年以内に現金化できる流動資産がどれだけあるかが焦点となります。
「流動資産」とは、貸借対照表の借方にある資産項目のうち、
現金・預金、売上債権(売掛金+受取手形)、有価証券、棚卸資産、
その他の流動資産(当座資産や棚卸資産以外の1年以内に資金化できる資産)に当たるものです。
一方「流動負債」とは、仕入債務、短期借入金、1年以内返済長期借入金
(1年以上かけて返済する長期借入金のうち1年分を固定負債から流動負債
に振り替えたもの)、未払費用・未払金、仮受金・前受金、
そしてその他の流動負債(それ以外に1年以内に支払わなければならない負債)のことです。
流動比率は、流動資産に対する流動負債の比率ですから、流動資産を流動負債で割り、100をかけることで求められます。
そして、この数値が大きいほど、その会社の支払い能力は高いことになります。
目安としては、
130~150%が「普通」
170%以上あれば「良好」と考えてよいでしょう。
A社の貸借対照表を見ると、
流動資産が4633万8000円。流動負債が1814万9000円。
したがって、流動比率は255・3%。
きわめて良好な数値であり、短期の支払い能力が非常に高いことがわかります。
一方のB杜はどうでしょう。
流動資産が7907万3000円。流動負債が4825万円。
流動比率は163・9%。こちらも悪くありません。
しかし、これだけで安心することはできないのです。
流動比率を分析するときに注意しなければならないのは、流動資産のなかに不良債権や不良在庫が含まれているケースがあることです。
回収できそうにない売掛金、陳腐化した棚卸資産など、1年以内の資金増加につながらない資産は排除して考えなければなりません。
次回に続く