皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
さて、社長夫人は、自分が経理を行わない以上、代わりに経理事務を任せられる担当者を育てなければなりません。
直属の部下の育成です。
この権限移譲がスムーズにいかないと思わぬトラブルに見舞われることになります。
なかでも最悪のケースを紹介しておきましょう。
ある建設会社の社長が、「5年間で5億円の売り上げを達成する」という目標を立てました。
何をおいても「売上アップ」が口癖の営業マン型社長ですから、コストや利益の計算はあまり得意ではありませんでした。
身近に財務がわかる補佐役がいればよかったのかもしれません。
しかし、社長が頼りにしていたのは、入社して間もない経理事務員だけでした。
なぜ社長がその経理事務員をしたかと言うと、その事務員は他の建設会社でも経理をしていて、入社時には自分御キャリアをPRしていたからです。
社長自ら「行け!行け!」の営業を行った結果、どんどん契約が取れ、売上は順調に伸びました。
それでも社長は、仕事が終わるたびに経理蒔事務員に確認するのを忘れませんでした。
「原価を引くと、どのくらいの儲けになる?」
事務員はいつも「25%は残ります」と答えました。
売上が順調に伸びていて、しかも利益率25%なら上々でしょう。
社長は安心して次々と仕事を受けました。
「忙しくなって大変だろう」と言って、現場監督の給料を上げることまでしました。
ところが実際には、仕事を受ければ受けるほど赤字が増える状況だったのです。
次回に続く