皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
決算書の数字が読めるようになれば自然と森の全体像も見えるようになってくるものです。
ただし、決算書を読むにはコツがあります。
漠然と数字をながめているだけではダメです。
目の前の数字から今は何を読みとるべきなのか、視点を明確にする必要があります。
決算書を読む際に必要な視点は5つあります。
「安全性」「収益性」「成長性」「生産性」「採算性」です。
中小企業にとって何よりも大切なのは「安全性」です。
会社を取り巻く環境や社会情勢の変化に対して「耐えうる力」がどれだけあるかを見るための指標です。
たとえば、安全性が高ければ高いほど、リーマン・ショックのような経済的な大事件や、
大地震、異常気象のような天災に見舞われても、耐えていく力が大きいことになります。
安全性を見るには、貸借対照表で財務体質を調べます。
安全性の指標はいくつかありますが、もっとも重視すべきはキャッシュフローです。
流動資産の状態です。
つまり「いつでも使える現金や預金」がどのくらいあるかです。
売掛金や受取手形では、いざというときほんとうにお金になるかどうかがわかりません。
固定資産も当てになりません。
バブル期に安全性を無視して不要な投資に走った会社の多くが、
バブル崩壊後、キャッシュフローの行き詰まりでバタバタと倒産してしまったのです。
次の収益性と成長性は企業活動の両輪です。
「収益性」は、
毎年、どのくらいの収益を確保できているのか?
十分な収益を確保できる体質にあるのか?を見るのです。
つまり、「儲ける力」がどのくらいあるか?
そして「成長性」は、
売上や利益、資産、従業員数などが毎年、増加しているかどうかを示しています。
創業当初の会社がもっとも重視すべきは収益性です。
キャッシュフローにある程度の余裕が生じるまでは、
とにかく儲けて、お金を貯めていかなければなりません。
また、利益や売上の増加を上回るスピードで従業員を増やしたり、
不動産に投資したりするようなことがあってもいけません。
いずれもキャッシュフローが行き詰る原因となります。
次回に続く