皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。

 

決算書を読むコツは「森を見てから、木を見る」

社長夫人にとって社長である夫がどのタイプなのかは深刻な問題ですが、どうも社長夫人たちの話を聞く限り、人の話を聞きたがらない社長のほうが多いようです。

しかし、会社が倒産などということになれば、社長夫人も大勢の社員たちも路頭に迷うことになってしまうのですから、

社長夫人は何としても社長を支えていかなければなりません。

たとえ社長が人の話を聞かないタイプであっても、聞いてもらわなければならないのです。

決算書は、そのための格好のツールとなります。

経営改善の突破口は、かならず決算書のなかにあるのです。

言葉だけで社長の心を動かし、説得するのは簡単ではないかもしれませんが、

決算書を開いて的確な資料を示せば、社長だって説明を聞きたがるのではないでしょうか。

さて、まずは決算書を読むための心構えです。

「木を見て森を見ず」という言葉があります。

一つひとつの項目や細かい数字にばかりこだわって、全体のバランスや整合性を考えないという意昧です。

女性の能力を過小評価したくはないのですが、

どうも女性には木ばかり見て森全体を見ようとしない人が多いようです。

決算書を読むときも、現在の数字にこだわるあまり長期的な展望を失ったり、

「コストがかかり過ぎる」と言って将来のための投資を嫌ったりする傾向が強いのです。

ただし、「森を見て木を見ず」も困りものです。

中小企業の社長にはこのタイプが多いのですが、大きなことや遠い先のことばかり考えていると、

夢と現実とのギャップが拡大し思わぬところで足をすくわれてしまいます。

一方、社長夫人のなかにも「森を見ている」つもりの人がいるようです。

ある程度、決算書の数字が読めるようになると、森全体が見えるような気がして、「この会社のことがいちばんよくわかっているのは自分だ」と思うようになってしまうのかもしれません。

しかし、それは世間知らずの思い込みです。

実際に経営を担っているのは、杜長夫人ではなく社長です。

社長がその両肩に背負っている責任の重さや孤独の深さは、社長夫人の比ではないのです。

「社長夫人は、自分があくまでも社長のサポート役であることを忘れてはなりません。

自分自身が社長となり、経営全体に対して、また全社員の生活に関してすべての責任を

負う覚悟があるのなら別ですが、そうでなければ社長のサポート役に徹するべきでしょう。」

それでは、サポート役としての社長夫人は、どんな心構えで決算書をながめたらよいのでしょうか?

答えは「森を見て、木を見る」です。

社長夫人は、森全体を見渡したうえで木の1本1本もよく見てください。

社長が森しかはないタイプならなおのこと、社長夫人は決算書の隅々まできちんと見なければなりません。

そして、社長に向かってこう励ましてあげたいものです。

「社長は森を見ていてください!木の1本1本は私がしっかり見て、社長に報告します!」