皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
1980年代後半、日本経済はバブル景気に突入しました。
作れば何でも売れたような時代。
中小企業の経営者たちは「売上が増えれば増えるほど経営が安定する」と考え、
ひたすら事業拡大をめざして新商品開発や新市場開拓に投資しました。
資金が足りなければ、借りればいい。
そんな論理が堂々とまかり通った時代でした。
バブル期は、銀行のほうがお金を貸したがる時代でもあったので、融資を受けるのは簡単でした。
それどころか、本来、必要のない資金まで押しつけられて、身の丈を越えた投資に走り、
とんでもない借金を背負い込むことになった中小企業もたくさんあったのです。
バブル景気の終焉とともに、そうした中小企業はバタバタと倒産しました。
多くは債務超過にともなう金利負担に耐えられなくなったためでした。
なぜ、そのようなことになったのでしょう?
「あの時代にはすべての日本人の金銭感覚がおかしくなっていた」という人もいます。
しかし、バブル期にも堅実な経営を貫き、立派に生き残った中小企業もたくさんあるのです。
倒産した企業と、生き延びた企業では、どこが違っていたのでしょうか?
今では、あの時代を体験していない若社長だっているでしょう。
しかし、バブル時代が残した教訓を忘れてはなりません。
多くの中小企業がバブル崩壊後に倒産した最大の原因は、キャッシュフローを軽視したことにあります。
「キャッシュフロー」とは、文字どおり「お金の流れ」のことです。
そして、お金の流れを重視する経営のことを「キャッシュフロー経営」と呼びます。
バブル当時、日本の多くの中小企業にはまだキャッシュフロー経営の習慣がありませんでした。
次回に続く