皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。

 

たとえば、DMを発送する費用について考えてみましょう。

一般的には他の郵便物と一緒に「通信費」として計上することが多いはずです。

しかし、社長が「そのDMを送ることでどれくらい効果があったか」を知りたければ、

「販売促進費」や「広告宣伝費」に入れることができます。

DMを送るための封筒も、「事務消耗品」ではなく「販売促進費」に入れるほうが実務的です。

社用車に関わる税金や車検費用についても判断は分かれるはずです。

本来は「租税公課」ですが、社長が「社用車1台にどれくらいの経費がかかるのか」を知りたければ「車両費」にまとめてもいいのです。

どちらも間違いではないのですから、経営者の目線で組み立てていけばよいのです。

ただし、そうした分類が一時の気分的なものであったり、毎年コロコロと変わったりするようでは経年比較ができません。

経理担当事務員が交代するたびに仕分方法がわからなくなるのも困ります。

ですから、その会社なりの基本理念と細かい方針を決め、

誰が担当しても同じ基準で仕訳できるようマニュアル化しておかなければなりません。

その作業にはかならず社長も参加し、社長夫人、経理担当事務員と一緒に考えるようにしましょう。

管理会計の勘定科目は社長の頭の中身を反映すべきものなのですから、

社長自身が設計に参加しなければ意味がないのです。

逆に言えば、勘定科目の設計に参加することで、社長にも決算書が読めるようになります。

自分の考えていること、知りたいことがそのまま数字になって示されるのですから、

こんなにおもしろいことはないでしょう。

そして社長夫人は、勘定科日の設計という共同作業を通して、社長の意図や戦略を理解し、

共有することができます。

「今は無理してでもここにお金を使わなければならない」とか

「ここで手を打っておかないと将来の注文が来なくなる」と言うことまで見通せるようになり、

社長と同じ経営目線を得ることができるようになるのです。