皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
ただし、そのためには決算書を読み下し、分析できるだけの能力が不可欠です。
決算書を読めない社長夫人では、将来、夫の後を継いで社長になるどころか、
社長のパートナーとして夫を補佐する際にも、心許ない印象はぬぐえません。
もちろん本来なら、社長自身が決算書を読めるほうがよいでしょう。
しかし日本の中小企業では、実際問題として、社長が決算書を読めない、あるいは正しく読み解く努力をしていない会社が多いのです。
多くの場合、毎月の月次試算表の作成や決算業務は社内で行わず、会計事務所に託しているためです。
社内の人間は、会計事務所の指導にしたがって毎日の帳簿をつけるだけ。
その帳簿類をドンと会計事務所のスタッフに渡して、あとは「お任せ」状態です。
だから社長も経理担当者も、決算のやり方を知らず、決算書の意味も読み方もわからない。
その結果、社長の勘だけに頼った、危なっかしい経営を続けているのです。
では、決算書とは何かについて説明しましょう。
決算関係の資料には専門用語が多く、また数字だらけなので最初はとっつきにくいかもしれませんが、
慣れればさほどむずかしいものではありません。
まず「決算書」とは、企業がある一定期間の自社の財務状況や経営成績を明らかにするために作成する何種類かの書類の総称です。
「財務諸表」あるいは「基本財務諸表」とも呼ばれます。
1年間の活動の成果をまとめた企業の通信簿のようなものと考えればよいでしょう。
ご存じのとおり、企業は毎年1回、かならず帳簿を締めて決算を行うことが、法律で義務づけられています。
その際に作成されるのが決算書で、税務署をはじめ銀行、株主、取引先などにも提出されます
もっとも心要な書類は「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)です。
他に「キャッシュフロー計算書(C/S)」や「株主資本等変動計算書(S/S)
「製造原価報告書」「利益処分計算書」なども含まれますが、
社長夫人としてまず知っておかなければならないのは、貸借対照表と損益計算書についてです。