皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
決まりやルール、目標、指示などには、それぞれ意味や理由があります。
それを納得すれば、社員は積極的に守るようになるはずです。
単に「これを守れ」「これを達成しなさい」というだけではなく、
「なぜ、守らなくてはいけないのか」「なぜ、達成すべきなのか」という意味と理由を伝えましょう。
先日の出勤簿を例に考えてみると、
出勤簿の押印がいい加減になるのは、その本当の意味がわかっていないからです。
「出勤簿は単に会社のためのもの」と考えているせいかも知れません。
出勤簿は、会社に在籍し、そこで仕事をしていたことを証明するものです。
その会社で就業した客観的な証拠なのです。
給与や賞与を計算するベースになるものですし、労災事故の手続きにも出勤簿が必要です。
退社時には失業手当を算定する資料となります。
出勤簿は、会社のためのものではなく、各社員にとってきわめて大切なものです。
社長夫人は、社員全員にそういう説明をして「だから、人任せにしてはダメ」と話したそうです。
この会社の社員の皆さんは、恐らく初めて、出勤簿の意味と重要性を知ったのではないでしょうか!
根本的なことをきちんと説明する、その大切さを教えるのです。
そうすれば、社員は納得してルールを尊重する気になるものです。
例えば、営業社員に週間レポートの提出を義務づける場合も同じことです。
「得意先の当社に対する評価を知るため」
「目標達成度をリアルタイムで把握したいから」
このような目的や理由を話せば、それにふさわしい内容のレポートを上げてくれるはずです。
「これを調べて書けばもっとわかりやすくなるのではないか」など自主的な工夫が出てくるかもしれません。
表を渡して「ここに数字を埋めてくれ」というだけの指示では、こうはいかないでしょう。
「なぜ、それをしなくてはいけないか」をきちんと話すことが社員のしつけになり、同時に創意工夫を促すことになります。
しつけができてくると、会社が変わります。
社員に甘えがなくなり雰囲気が引き締まってきます。
仕事に対する気配りや責任感が定着します。
これまでできなかったことが、できて当たり前になります。
その過程で、こうした変化について行けない社員が出てくることがよくあります。
自分から辞めていく場合もあります。
能力の問題かもしれませんし、不満が原因かも知れませんが、
これは、しつけ、人材育成という面では、むしろ、よいこと、歓迎すべきことと考えましょう。
社長夫人のやり方を多くの社員は受け入れ、それについてきたのですから、
「厳しすぎたか」と心配するのではなく、「これからはもっとよくなる」と前向きにとらえましょう。
辞めた社員に代わって入る新入社員は、最初から「ルールを守ることが当たり前」の社風の中で育つからです。