皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
会社の人材育成では、社長は父親の役目、社長夫人は母親の役目です。
父親と母親それぞれが得意なことを活かしながら、社員を育てることが基本です。
例えば、人材育成の重要な課題である幹部社員の育成を図る場合、
経営理念を伝えたり、経営的な考え方や感覚を教えたり、幹部としての能力を身につけさせたりするのは社長の役割です。
社長夫人は、社長を補佐しながら、人間性に関すること、具体的には幹部社員としてのしつけや動機付けを受け持ちます。
いわば、幹部社員としての器づくりです。
社長夫人が行う人材育成の基本は「しつけ」です。
一人前の社会人として、会社の一員として行儀作法や仕事の習慣を身につけさせることです。
具体的には、きちんと挨拶をする、組織の人間として言葉づかいをする、
決められたことをしっかり守る、社員として恥ずかしくないふるまいをするなどといったことです。
皆さんは、「子どもではないのだから、そんなことは当然できるはず」と感じますか?
それとも、「たしかに、こんなこともできていない」と感じるでしょうか?
残念ながら、実態は後者です。
多くの社長は、そのことに強い不満を持っています。
「こんなことはできて当たり前。なぜ君たちはできないのか」と憤慨する社長もいます。
当たり前なことが意外にできないのです。
社長夫人はまずこの現実を受け入れてください。
ここがしつけのスタートラインです。
子育てと同じように考えればよいのです。
子どもは成長するにしたがってしだいに能力をつけていきます。
一気に高い能力を身につけるのではなく、段階を追って少しずつ必要な能力を習得していきます。
子どもを持つ社長夫人なら経験からおわかりでしょう。
社員を育てるのも同じことです。
しつけには時間がかかります。
一朝一夕に目標のレベルを達成しようなどと考えないことです。
叱るだけでは、かえって進まない。
ほめたり、叱ったりしながら気長に取り組まなくては失敗します。
こういうことは、男性は苦手です。
だからこそ社長夫人が担当するのです。
子育ての経験があれば、それを思い出しながら人材育成に活かしましょう。