皆さん、おはようございます。

矢野千寿です。

二人三脚では二人が横一線で、足の運びもぴったり合わせなくは、うまくゴールまで走れません。

会社経営の二人三脚は、少し違います。

常に社長が少し前に出てリードし、社長夫人は社長の少し後ろから、社長のリードのままについていく、という形が理想です。

そう言えば、二人三脚競争でも、どちらかがかけ声をかけて引っ張ります。

あれと似たようなものです。

社長夫人は、「出過ぎず、引き過ぎず」が基本です。

社長より出過ぎてはダメ、引き過ぎてもダメです。

それで、社長のやや後ろをピタリとついていく。

私はこのことを強調しておきたいと思います。

塩梅がむずかしいのですが、このコントロールは非常に重要です。

二人三脚の成否の鍵を握っていると言ってもいいくらいです。

積極的で、独立心が強く、まじめといった性格で、しかも聡明な社長夫人は、とかく出過ぎます。

社長を批判したり反発したりします。

極端な場合は、それを社員の前で公言する社長夫人もいます。

社員を味方につけて、自分が会社を統率しようとします。

これでは、社長がやりにくいのは言うまでもないでしょう。

社長夫人が出過ぎるということは、本来はひとりだけのトップが二人できるようなものです。

社員は、そう感じます。

社員は、どっちの命令を聞けばいいのか迷うことになります。

たとえ社長夫人の考えや方針が社長より優れていたとしても、出過ぎてはいけません。

会社のトップはあくまで社長です。

そのことを忘れていけない。

優れたアイデアがあるなら、社長に話して、社長とすり合せをして、最終的には社長のアイデアとして社員に示すのです。

我の強い社長夫人は、これが我慢できない。

「私のアイデアなのに」という思いが消せなくて、おもしろくない。

不満が募ります。

考えて欲しいのは、これまで会社を経営してきたのは社長である、ということです。

業績がよくないとしても、その中で必死で頑張ってきたのは社長です。

それを補佐するのが社長夫人です。

そのためのビジネスパートナーです。

社長夫人が目指すのはあくまでナンバー2なのです。

それに、自分の才を誇っても、いずれは底が割れます。

「自分が、自分が」と言う人には誰もついてきません。

社長の信も得られず、社員からもそっぽを向かれる、ということになりかねないのです。

そうなったら惨めでしょう。

社長夫人は、我を殺さなくては、本物のビジネスパートナーにはなれません。

不満があっても歯がゆくても、社長を受け入れ、社長についていく。

社長夫人にはそれだけの度量が求められます。

ある意味・・・社長より大きな器が必要なのです。