皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
「社員をほめてください」と話すと、「うちの社員は皆、半人前だから、ほめるところなどない」と反論する社長がいます。
社長夫人は、そうであってはいけません。
半人前でも「半人前だけできていること」をほめます。
ものは考えようです。
「決断力がない」は「慎重な性格」と言えるし、
「仕事が遅い」は「ていねいに仕事をする」ととらえることができます。
ほめるには、社員の良さを感じることです。
そして、それを言葉や態度で伝えることです。
私が師と仰ぐ人と食事をして店を出たときのことです。
その人が空を見上げて、「矢野さん、お月様がきれいですよ」と言われました。
その瞬間、私は「なんと気障な言葉だ」と思いましたが、
よくよく考えてみて、すごく大事なことを教えていただいたと気づきました
ひとつは、感受性、ものの感じ方の大切さです。
きれいなものをきれいと感じなければ感動はありません。
社長夫人の皆さんも、感じることを大切にしてください。
「相手のいいところを見よう」「いい面を感じよう」と意識して社員に接してください。
社員の良いところを敏感に感じ発見する訓練をするのです。
もう一つは、感じたことを人に伝えることの大切さです。
いくら「月がきれいだ」と感じても、言葉にしなければ人に伝わりません。
感動していることが相手にわかりません。
ほめたいところを見つけたら、それを伝えてください。
素直に言葉に出してほめてください。
ほめ言葉をかければ、社員は、「社長夫人は、自分を見てくれているな」「ちゃんと評価してくれる人なんだな」とわかります。
そういうことの積み重ねで、信頼ができていくのです。
私は、「お月様がきれいですね」のひと言はコミュニケーションの原点だと考えています。
人をほめることは、人を輝かすことでもあります。
健康通販食品で知られるやずやの代表取締役である矢頭美世子さんは、次のように話しています。
「縁あってうちの会社に入った人は、私を通し、潜在能力を引き出し、輝かし、
そして私を超えさせ、送り出す。
これが社長夫人の役目だと思います。
自分が輝くのではなく、周りを輝かせることが大切です!」
社長夫人の人材育成の根本を表す名言だと思います。