皆さんこんにちは、矢野千寿です。

社長夫人という立場、社長夫人という存在は、ある意味で特殊です。

社長夫人の皆さんは、そのことに気づいているでしょうか?

たとえば、社長夫人は役職が何であろうと、たいした仕事をしていなくても、週一回しか会社に出なくても、社長夫人というだけで社員にとっては特別な存在です。

ある種の権限を持ち、影響力を行使できる立場です。

そういう存在なのです。

社員にとって社長夫人の命令や指示は重いものですし、たまたま会社に出てきて言われたことには「はい、わかりました」と答えざるを得ない。

社長夫人がそう思っていなくても、社員はそう見ています。

役職はなくても取締役のような力を持っていることから、私は、冗談半分で「取締役社長夫人」と言ったりします。

ろくに仕事もしないで権限を振り回すだけの社長夫人になってはいけません、という警告を込めての言葉です。

社長夫人ということだけで、それだけの権限を持っている。

そのことを肝に銘じておくべきだと思います。

その点では自戒が必要ですが、その半面、社長夫人という立場・存在は、それだけで活かし甲斐のある優位な面を持っていることも事実です。

たとえば、会社の経営に関わるという希有なチャンスを持っていることです。

仕事のキャリアや能力に関係なく、会社の経営に間近な位置にいます。

その気になれば社長の右腕として力を発揮し、会社を発展させて豊かな人生を手に入れることができます。

ここで言う「豊かさ」とは経済的なことよりも、会社経営という貴重な体験が与えてくれる多くの学びと高い社会性、人間として成長のことを指します。

会社の事業を介して、社会に貢献することもできます。経営に参加して、社員よりダイレクトに社会に貢献でき、しかもそのことを実感できます。

熾烈なビジネスの場で、会社を支え業績を伸ばすことができれば、他では味わえないような達成感、充実感を得られることでしょう。

社長夫人の成長が、社長を変え、会社を変えることもあります。

苦労も大きい代わりに、得られるものも大きい。

それが社長のビジネスパートナーの醍醐味です。