皆さんこんにちは、矢野千寿です。
社長夫人が、社長のビジネスパートナーになるための第一歩は、社長の悩みや嘆き、怒りなどを受け止めることです。
社長(としての夫)をより深く理解することは、社長の思いを共有し、同じ目線で会社経営に当たることにつながります。
一般に、社長は、自分の思いを口にすることは少ないものです。
会社経営に関することだとなおさらでしょう。
悩みや嘆きとなると、よりいっそう口が重くなります。
社長夫人の皆さんは、社長がどんなことで悩んでいるか、どんなことを嘆いているかご存じですか。
私は、いろいろな会社の社長とおつき合いがあるので、ある程度は知っています。
ちょっと、あげてみましょう。
「売上が毎年減少しているが、打つ手だてがわからない」
「売上拡大ばかりに気をとられ、気づいてみると人材育成や仕組みができていない」
「本業を続けていてよいかどうかわからなくなった」
「会社経営に関する自分の経験や勘が通じなくなった」
「幹部たちが自分の言うことを理解してくれない」
「幹部に自分の考えを懸命に伝えるが、問題意識のずれを感じる」
「いざというときに右腕となってくれる人材がいない」
「もうひとつの柱をつくりたいが、何をしてよいかわからない。
「何かやろうとしても、なかなか社員がついてきてくれない」
などなどです。
思い当たることがありませんか?
どの会社の社長も大変な思いをしていることを肌で感じます。
けれども、社長がこんな思いをストレートに話すことはまずない。
男としてのプライドや意地、口下手な性格、「話さなくてもわかるはずだ」という思い込みなどが邪魔をするのです。
率直に話してくれれば受け止めることができるのに、やっかいなことです。
で、どうなるかというと、悩みや嘆きの裏返しで、しょっちゅうイライラと怒る、ガミガミと小言ばかりを言うということになりがちです。
社長夫人は、そういううわべにとらわれずに、社長の心を見てあげてください。
社長夫人がそういう姿勢でいることは、いずれ社長にも伝わります。
重い口を開いて、思いを漏らすようになればしめたものです。
どんどん引き出して、受け止めましょう。
悩みや嘆きは、いわば愚痴です。
少なくとも愚痴に聞こえます。
誰でも、愚痴を聞くのは好まない。
知らなかった社長の一面を知るとまどいもあるかもしれません。
注意したいのは、愚痴を聞いて、「社長なのにだらしがない」とか「案外、情けないところがある」などと思わないことです。
軽蔑からは何も生まれません。
そのように社長を軽視するのは、社長業、会社経営の難しさ、負担や責任の重さに無知だからでもあります。
まず社長の思いを受け止める、どんなことでも受け入れる。
そのことに徹してください。
真のビジネスパートナーへの道は、ここから始まります。
社長を軽視するのは、社長業、会社経営の難しさ、負担や責任の重さに無知だからでもあるのです。