業績が伸び悩んだときや落ち込んだとき、その原因を探るのが業績回復への第一歩です。

 

それには経営指標が役に立ちます。

 

「これが限界か?これ以上、業績を上げることはできないのか?」

 

そういう悩みを強く持った社長夫人がいます。

 

会社の売上は、この10年間ずっと3億円台が続いていましたが、どうしても4億円に届かないのです。

 

それで限界を感じたのです。

 

この会社では、社長がトップセールスマンで、社長の頑張りによって売上を確保している面がありました。

 

「社長がトップセールスのところは社員が育たない」とよく言われます。

 

社長がトップセールスだと、「社長がなんとかしてくれるだろう」と社員が社長に依存してしまうのです。

 

自分たちが努力して目標を達成しようという意欲が盛り上がらない。

 

そういう甘えた土壌になりがちです。

 

「うちも、このようになっているのではないか?」と考えた社長夫人は、

 

社員に関する指標を計算してみました。

 

社員一人当たりの売上はおよそ1300万円、社員一人当たりの付加価値は960万円台でしたが、10年来同じような水準で伸びていない。

 

一人当たりの経常利益も伸びていないことがわかりました。

 

社員一人当たりの生産性が10年間も伸びていなかった。

 

このことが数字ではっきり出ました。

 

メスを入れるべきところがわかったのです。

 

社長夫人は、社長に諮り決済をもらって、社員のモチベーションを高め社内を活性化させるシステムの導入に踏み切りました。

 

そのために投じた金額は800万円。

 

「社員の意欲さえ上がれば、うちはまだまだ伸びます。そのための投資ですから高いとは思いません」と納得した上での決断でした。

 

勘でなんとなく思っていることも、数字を分析すれば明らかになります。

 

問題点が明らかになり、改善策もはっきりします。

 

数字の裏付けがあれば、社長夫人の提案は強い説得力を持つのです。

 

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