皆さんこんにちは、矢野千寿です。

社長と社長夫人の双方が話をして、お互いの考えの違いに気づくことがあります。

たとえば、社長の期待が高く、社長夫人が「私には無理」と尻込みするケース。

「時間がかかるかも知れませんが頑張ります。ご協力をお願いします」と言うのが自然でしょう。

逆に、社長夫人にとって、社長の期待や考えが物足りないケースもあります。

社長は「専業主婦でいい」あるいは「秘書型でいい」と考えているのに、社長夫人の方はもっと意欲的で、「できれば、積極的経営参加型になりたい」という場合です。

社長夫人のやる気はとてもすばらしい。

せっかくの意欲がそがれるのがもったいなくもあり、できれば社長夫人の意思を実現させてあげたいとも思います。

けれど、私が、この社長夫人にアドバイスするとすれば、

「社長の気持ちを察し考えを理解して、それを一緒に実現していこうという気持ちになってください。あなたが社長に合わせてください」

という言葉になります。

会社経営の中心でありトップは社長です。

その社長を助けて会社をよりよくしていくのが社長夫人の役割です。

社長が「主」、社長夫人は「従」です。

この形で、社長の考えを実現するためにどうするか、何をするかが基本、というのが私の考えです。

社長夫人の主張が強すぎて、社長との間に溝ができるのは絶対に避けたいものです。

あくまでも社長と社長夫人、つまり夫婦が手を携えて協力して会社を盛り立てる。

それが本筋だと私は思います。

「自立型」を志向する社長夫人も似たような危険性を持っています。

社長との関係が良好でないことを前提として「自立型」を目指すのでは、社長、つまり夫との距離をますます大きくしてしまうことになります。

私の講座に参加されている社長夫人の中には、やる気があって向学心に富み、新しい知識をどんどん吸収して、めざましい成長を遂げる人がいます。

一生懸命に勉強した結果、ある面では、社長を超えてしまい、社長が自分より劣っているように見えてくる。

変に自信と優越感を持ってしまうのです。

中には、面と向かって「あなた、バカね」と口に出して言う人までいます。

聡明な人ほど勉強が裏目に出て、このようになりやすい。

よほど用心しなくてはいけません。

常に「自分は社長の補佐役」という原則に立ち返ることが大切です。