皆さんこんにちは、矢野千寿です。
社長は「積極的経営参加型」を期待している人が多い!
しかし、社長夫人はそこを目指そうとしていないのです。
社長夫人は、会社を変え会社を伸ばす可能性を持つ存在です。
そのような潜在的な力を秘めています。
社長夫人の努力によって業績を上げた会社があります。
社長が口下手で、社員に対して何かを言うときもひと言ですませてしまうため、社長の思いが社員に伝わりませんでした。
長年のそうした状態を打破したのは社長夫人。
社長の思いや考えを、一つ一つ噛み砕いて、わかりやすい言葉で社員に伝えるように努めたのです。
社員全員が社長の思い、会社の方針をしだいに理解するようになり、それが仕事にも反映。
その結果、2億円台が続いていた売上げが、社長夫人の取り組み以降、3億円台を超え4億円まで伸びました。
こうした社長夫人の力を引き出すには、まず、どのような形で社長夫人が会社にかかわるか、その方針をしっかり決めることです。
先日掲げた5つのタイプを参考にしてください。
目指すタイプを決めるには、社長夫人自身だけでなく、社長の考えや希望も考慮することが必要です。
実際のところ、社長夫人と社長とでは、希望するタイプが同じなのかどうか?
アンケートでは、なかなか興味深い結果が出ています。
あるセミナーで全国から参加された約120名の社長夫人の皆さんにお聞きしたものがあります。
「あなたはどのタイプと思うか」という質問に対する回答は、
「経営支援型」が31%でもっとも多く
「秘書型」30%が僅差で並び、「積極的経営参加型」は20%弱、「専業主婦」は15%、「自立型」はさすがに少なく3%、という結果でした。
この種の講座に参加する意欲を持った社長夫人たちの意見ということを割り引いても、ほぼ実態を反映しているように思います。
これに対して、「社長は、どのタイプを期待しているか」を社長夫人に予想してもらったところ、
「積極的経営参加型」が36%と最多、ついで「秘書型」(22%)で、「経営支援型」と「専業主婦」が13%と同じ割合でした。
社長に直接聞いたものではないので誤差はあるかもしれませんが、社長夫人の実態と社長の期待とが一致しない人が五割近くにものぼることは注目されます。
私も、このような例をよく見聞きします。
多くの社長夫人は、
「会社のことは夫にまかせる。自分はそんなに頑張らなくてもいい」と思っていて、「秘書型」か、せいぜい「経営支援型」でいいと考えています。
一方、社長は「積極的経営参加型」を期待している人が多い。
アンケートどおりです。
ここには、「俺を助けてくれ」という社長の叫び、本音が出ていると思いませんか。
その半面、勉強もしないで中途半端に仕事をするくらいなら、あまり首を突っ込まない「秘書型」か「経営支援型」でいてもらったほうがうるさくなくていい、という思いも持っています。
特定部門の独立や新規事業を起ち上げたいと考えている社長などは、そのトップに社長夫人を据えたいので、「自立型」を期待していることもあります。