こんにちは、矢野千寿です。
これまで社長夫人革新講座を通して実感していることは、
「社長夫人の実務能力不足」
もっと、経営に役立つ実務を身につけましょう!
私は、無限の可能性を秘めている社長夫人を戦力にするために
平成14年に「社長夫人革新講座・基礎編」開講しました。
これまで多くの社長夫人に正しい価値観と経営管理能力を身につけていただいています。
講座では社長夫人が戦力となるために三つの理念を掲げました。
1.社長夫人の役割と使命を明確にすること
2.ビジネスパートナーとしての人間性を磨くこと
3.社長夫人の役割と使命を果たすためには、実務能力を高めること
特に、「3.実務能力を高めること」には力を入れています。
そのなかで繰り返す繰り返し伝えている3つのことについてお話します。
Ⅰ社長夫人は経理をしてはいけない
「計数管理に強くなる」というと、
「経理を担当する」「帳簿をつける」といったことを考えがちですが、
私は、「社長夫人は経理をしてはいけない」と言っています。
社長夫人がすべきは、経理ではなく、財務です。
経理と財務。
どこが、どう違うのでしょうか。
経理とは、企業活動で発生した日々の取引の処理をすることです。
販売や仕入れの取引があれば、その処理をする。
現金、預金の出入りがあれば、その処理をする。
支払った経費の処理をする。
要するに、取引の後処理です。
一方、財務は、企業活動で得た利益(資金)をどう有効に運用するか、
企業活動に必要な資金をどう調達するかを考え管理することです。
経理が過去の処理だとすれば、財務は現状を踏まえて未来に向かう仕事です。
過去のことは資料もあるし、お金も動いているので処理は容易です。
半ば機械的な作業で誰にでもできますから、経理担当の社員に任せるのが適切です。
社長夫人は、将来に向けて、社長の理念やビジョンをどう実現していくか、
そのために資金をどう活用していくかという経営に直結した仕事をすべきです。
経営者の視点から損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書など
読み込み分析して、経営に役立つ資料を作ったり、社長に提案したりする。
これこそが社長夫人の役割です。
社長夫人の皆さん、経理の仕事にしがみついていませんか。
経理担当で満足していませんか。
それは社長夫人の仕事ではありません。
社長夫人が経理を担当することには弊害があります。
経理は毎日の取引をその日のうちに処理するのが原則ですが、
多くの経理担当社長夫人はそうしていません。処理が遅れます。
自分ひとりですべてを握っていて、しかも自分流で勝手にやっているので標準化できないこともマイナスです。
社員に引継ぎができないし、第三者が理解できるような処理内容にもなっていない。
社員にまかせて、きちんと指示をすれば、このようなことはないでしょう。
社長夫人は本来の仕事に労力をかけてください。
では、社長夫人が「計数管理」のプロとして、
経営に役立つためには5つの力をつけてください。
ⅰ「計数管理」の目的は、経営に役立つ資料を作ることにあります。
経営者がタイムリーに正しく経営判断が出来るような経営資料を作ることです。
ⅱ早期の月次決算(翌月7日まで)を実施する
めまぐるしい経営環境の変化にタイムリーに対応するためには、
月次決算のスピード化は重要な課題です。
経営管理の入り口は、日次決算から月次決算の仕組みづくり、
トップを安心させることになります。
ⅲ決算書を読み取る力を養う
この力を養うことによって、社長と問題を共有化でき、互いの信頼関係が深まります。
ⅳ財務計画に基づいた利益計画を立てる力を持つこと
貸借対照表は資金の流れと支払い能力を見るものですから、
必要資金に基づいた利益計画が必要です。
借入金のある会社は、損益計算書だけの経営では資金が不足してきますから注意する必要があります。
ⅴ売上思考ではなくキャッシュフローを重視した財務管理の仕組みを作ること
経営者が一番気がかりなのは、資金のことです。
一ヶ月から半年先の資金繰り表を作成してトップに報告をしなければなりません。
言い訳に終始し、前向きな改善に取り組むことを避けているのです。
社長夫人の皆さん!
社長の経営判断に役立てる実務をしっかりと身につけてください!