こんにちは、矢野千寿です。

社長夫人が社長のビジネスパートナーになるということは、ふたりが二人三脚で会社経営をしていくことです。

互いのリズムを合わせなくてはいけないことは同じですが、ふたりで一緒に進むことで、相乗的なプラスの効果を期待しています。

第一の利点は、互いの性格的・能力的な不足分を補い合えることです。

社長も人間ですから万能ではありません。

ある社長は、夢は壮大ですが、細かい実務が苦手です。

粘り強さが信条である社長は、半面、優柔不断なところがあって大きな決断ができなかったりします。

社員にかける思いはとても強いのに、それが伝わらずに社員に敬遠されている不器用な社長もいます。

そのような社長の苦手とするところ、不足している点を社長夫人が補う。理念を共有しているので、社長も安心してまかせることができます。

社長夫人のほうも弱い部分は社長が埋めてくれますから、自分の力を発揮できる仕事に集中すればいい。

このようになっていけば、強力な経営陣になります。

適材適所も二人三脚の利点です。

気心がわかっていて信頼できる同士で、互いに得意分野に力を注ぐ。

たとえば、大きな戦略を立てるのは社長、計数管理の部門で戦略を具体化するのは社長夫人。

あるいは、社外の人脈を築くのは社長、社員を育てるのは社長夫人。

よく見るのは、このような分担です。

社長と社長夫人の二人三脚は、相手が暴走や過失をしたとき、ブレーキをかけたり、たしなめたり、フォローしたりして大過なくすませられる効用もあります。

社長が社員を怒鳴りつけたら、あとで社長夫人が言葉をかけてフォローをします。

これで社員を深く傷つけずにすみます。

社長夫人が特定の社員ばかりを重用するのが目に余れば、それとなく社長がたしなめ軌道修正します。

ビジネスパートナー・シップが深まっていくほど、阿吽の呼吸で、このようなことが可能になるはずです。