皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
すべての社員を同じようにしつけるには、情報開示が鍵になります。
例えば、ある社員が決められたルールをうっかり忘れたために、取引先からクレームが来たとします。
その社員を呼びつけて注意することは、ほとんどの会社でするでしょう。
しかし、これだけでは不十分です。
個々の社員に注意するだけですませてしまっては、他の社員に伝わりません。
問題発生は、会社の考え方を社員に徹底するチャンスでもあります。
むしろ、社員全員にオープンにするほうがよいのです。
「今回、こういうことがあった。
ルールがあっても、ちょっとした気のゆるみで忘れることがある。
皆さんも注意して欲しい。
もっとよい方法があれば言って欲しい。」
会議などで、このように話すのも一つの方法です。
話し合いの中で、よりよい方策が出てこれば、さらに一歩前進することになります。
社員を解雇した場合などは、その経緯や理由を公にすることはためらいます。
社員が動揺するのではないか、社員から批判を受けるのではないかと心配するからです。
けれども、隠してしまうほうがリスクが大きいのです。
社員同士が陰でこそこそ話をする中で、実際とは異なるウワサが立ったり、
疑心暗鬼を生んだりする恐れがあります。
場合によっては、ある思惑を持ってデマを流す社員がいるかもしれません。
社員が辞めたことは周知の事実なのですから、中途半端に隠さず、
「こういうことがあった。会社としては、これでは困るので辞めてもらった」などと本当のことをきちんと伝えることです。
会社の立場や考え方を社員に伝え理解してもらうのです。
一時しのぎで隠すよりは今後に活きる点でよい対処法と言えるでしょう。
こうした情報開示を続けていくことで、会社は風通しのよい組織に変わります。
経営陣と社員との間、あるいは社員同士で必要なことをお互いがきちんと伝え合い話し合えるようになります。
しつけを通じて、そのようなオープンな組織風土をつくることができればすばらしいことです。