皆さん、おはようございます。
矢野千寿です。
7月19日・20日に《知新塾》本年度第3回を開催しました。
この塾は、社長夫人革新講座を卒業された方が、その実践へ向けて学びあうことを目的に年4回開催しています。
本年度は、戦略的中期経営計画の策定力を身につけていただくために、これまで計数の勉強が中心でしたが、初めて戦略についても学んでいただいています。
今回は、営業構造改善と商品力強化についてでした。
戦略的な感覚を身につけると社長のお困りごとの支援にもなりますし、管理会計を行ううえでもより実践的な組み立てができるようになります。
この一年、慣れない勉強で悪戦苦闘されていますが、必ず役立てるものと確信しています。
さて、今日は、内部のブランドづくりは社長夫人に任せる覚悟を社長に持っていただきたいということについて書きたいと思います。
課題がわかったら、できるだけ早く取り組むことが大事です。
たとえば、サービス残業が多いという問題があるとします。
サービス残業は社員のやる気を削ぐうえに、疲労やストレスをためることにもなります。
社長も、サービス残業が売上や利益を伸ばすとは思っていません。
むしろ弊害があることは感じています。
もっと成果を上げるためには、サービス残業など辞めて、時間通りに退社し規定通りの給与を払うほうがいいと頭ではわかっているはずです。
それでも、なかなか取り組もうとしない傾向があります。
理由の一つは、ずっと売上至上主義でやってきて、社内組織のあり方に目が向いていないことです。
「売上さえ伸ばせば、すべてよし」ということですませてきた付けが回っているのです。
数字もきちんと管理してこなかった。
人財も育てていない。
業務改善というのは社長にとっていちばん面倒くさい部分です。
中でも、人事制度は関心が薄いし、改善の意欲もないのが普通です。
人事制度のどこをどう改善すべきかもわかっていません。
そのせいで、「仕組みづくり」の中では、人事制度の改善がもっとも遅くなります。
人事制度に手をつけるまでに、かなりの期間がかかります。
サービス残業は、このもっともやっかいな人事制度のあり方の問題です。
就業規則がきちんとできていて、職務上の役割と責任分担が明確になっていて、
それを守っていこうという組織風土があれば、そもそもサービス残業の問題などは起こらないはずです。
ところが、中小企業の中には就業規則もない会社があります
規則は一応あっても、社員に示していない、守っていないなど「絵に描いたモチ」になっているところもあります。
まず就業規則を作ったり、その厳守を徹底したりすることが必要になります。
これ自体は、それほどむずかしい課題ではありません。
要は、社長の決断一つです。
極端に言えば、「残業代をきちんと払うことにする」と宣言すればいいのです。
社長の決断、社長のひと言で、社内のあり方がすぐに改善できるところが中小企業のよさです。
社長は、これまでおろそかにしてきた「守りの経営」「内部のブランドづくり」に取り組む決意をしていただきたいのです。
そして、その仕事を社長夫人にまかせ、自分は社長夫人をサポートする覚悟を決めていただきたいと思います。
会社経営の中で、それぞれがどんな位置・関係にあり、実際の仕事がどのようなものかを見てみましょう。