皆さん、おはようございます。

【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタント矢野千寿です。

 

「夫と一緒に仕事をしてきたつもりだったのですが、

実際は、いつも責任を社長に押しつけて逃げてばかり。

本気ではなかったんです。

夫と私の理念が一体になってこそ初めてパートナーと言えるのだと思いました。」

 

ある社長夫人の反省です。

 

社長を支えて仕事をしながら、常に自分自身に歯がゆさを感じていた・・・

 

その歯がゆさの原因を突きつめていったら、深い問題に気づいたのです。

 

理念とは、

 

「ある物事についての、こうあるべきだという根本的な考え」のことです。

 

会社にとっての根本的な考えは「経営理念」です。

 

経営理念を実現することが会社経営の目的です。

 

会社経営は経営理念を実現するための手段、と言うこともできます。

 

社長夫人が社長のパートナーとして会社経営に関わるには、社長夫人は社長の持つ経営理念を理解し共有することが基本です。

 

互いの理念がバラバラでは、強力なタッグを組むことはできません。

 

経営理念とはどういうものかは、本やインターネットで調べれば知ることができます。

 

その内容は企業によってさまざまです。

 

言うまでもなく、あなたの会社にも立派な経営理念が掲げられているはずです。

 

ただ、中小企業に限って言えば、私の見るところ、たいていの企業で、経営理念は実質的に棚上げになっています。

 

経営計画書を作るときも経営戦略を練るときでも、経営理念を意識することはほとんどないように見えます。

 

なぜ、こうなるのか?

 

私なりに理由を考えてみると、次のようになります。

 

社長は経営理念について、よく勉強している。

 

高尚な言葉を学び、経営理念の作り方も覚える。

 

こうして身に付けた知識でつくった経営理念は、どこか上っ調子です。

 

頭でこねくり回して作ったようなもので、心からのものとなっていない。

 

それで、経営の現場で置き去りにされ、ほこりをかぶってしまう。

 

そんなところではないでしょうか。

 

経営理念は、このように軽いものではないはずです。

 

会社がうまくいってない、何か問題がある、納得した経営ができないなどというときに、必ず、そこに立ち返り、そこから答えをもらう。

 

それが経営理念です。

 

経営が厳しい中では喉から手が出るほどに売上や利益が欲しいかも知れませんが、もっと重要なのはしっかりとした経営理念を作り上げることです。

 

その根本が欠けていれば、どのような会社でもうまくいくことはないと思います。

 

経営理念は、それほど重いものなのです。

 

本物の経営理念、お腹の底からの経営理念とは、どのようなものでしょうか?

 

 

これは、私が10年にわたって「経営の基本とは何か」を追求し考え続けてきたことをまとめたものです。

 

「幸せのりんごの樹の絵」と呼んでいます。

 

私の考えの根本は、すべてこの絵に表現されています。

 

りんごの樹に品質のよい真っ赤なりんごをたくさん実らすには、幹がしっかりと太く育っていなくてはなりません。

 

幹が立派に育つには豊かな土壌が必要です。

 

土壌が貧弱では幹は育たず、萎びたりんごがわずかにできるだけです。

 

会社経営になぞらえれば、りんごの実が利益、幹が経営理念、土壌が組織風土です。

 

豊かな利益を収穫するには木の根を支える土壌、つまり組織風土の改善が必要です。

 

組織風土に目を向けず、利益ばかりに気をとられていれば、会社は行き詰まります。

 

絵の土壌の部分には、人生理念、人材育成、制度・管理、計数管理の4つをあげています。

 

この4つの条件をしっかり整えることによって、

 

地面の奥深くまで根が張り、

 

その根から養分を吸収して幹が育ち、

 

枝が伸び青々とした葉が茂り、

 

やがて品質の高い美味しいりんご(利益)がたくさん実ります。

 

どんなに立派に見える経営理念でも、土壌が貧弱では太くは育ちません。

 

まして大きな利益を得ることはできないのです。

 

土壌の部分に人生理念があることに注目してください。

 

経営理念は人生理念から育つものです。

 

経営理念は、人生理念の一部です。経営理念より前に人生理念、つまり社長の生きざまがあるのです。

 

社長の生きざまに根ざしていない経営理念は本物とは言えません。

 

たとえば、「社員を大事にする」という経営理念を掲げているとしましょう。

 

社員が交通事故を起こしたという連絡があったときに、咄嗟に何を考えますか。

 

まず車や荷物のことを心配するのか、それとも社員の体を気遣うのか。

 

ここで、経営理念が本物がどうかが問われます。

 

車の損害に気が行くようでは、社員を大事しているとは言えません。

 

経営理念が生きざまから出ていないから、いざというときに化けの皮がはがれてしまう。

 

「社員大事」がお題目に過ぎず、本当のところ、つまり人生理念は「損得大事」だった。

 

経営理念に掲げている立派な言葉と社長の生き方とに、こんなに矛盾があるようでは社員はついてきません。

 

経営には社長の生きざまがそのまま現れます。

 

人生理念と経営理念が同じでないと、いずれ経営は破綻します。

 

私、矢野千寿の人生理念は、

 

「心と性格の豊かさを追求して、ともに価値ある人生を実現する」というものです。

 

仕事についても、これで一貫している。

 

この人生理念は、私の会社であるアローフィールドの理念でもあります。

 

いろいろ迷い苦しみながら生きて仕事をしてきて、ようやくここまで理念を深め、このような言葉にまとめることができました。

 

この経営理念は、人生理念と同じですから、どんなことがあっても崩れることはありません。

 

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