皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
「社外のブランドづくり」と「社内のブランドづくり」を、別の言い方をすれば、「攻めの経営」と「守りの経営」となります。
会社経営の中で、それぞれがどんな位置・関係にあり、実際の仕事がどのようなものかを見てみましょう。
「社長&社長夫人 役割の明確化イメージ図」を見てください。
この図は、経営方針に行き詰まって苦しんでいた、ある社長をお手伝いするためにつくったものです。
会社経営の全体像を1枚の図に集約しています。
タイトルのすぐ下に、「経営者の夢の実現と社員のライフプランの実現」とあります。
どの会社にとっても、これが会社経営の目標です。
社長は、会社を起こしたときに夢を持っていたはずです。
その夢を実現することが第一の目標ですが、それだけでは不十分です。
企業活動が成り立つには社員の力が必要ですから、
「社員のライフプランの実現」も「社長の夢の実現」と同じ重みを持つ目標として掲げたのです。
「会社のために」と言っても、社員のモチベーションは上がりません。
「力を貸してくれれば、あなた達の人生も価値あるものになります」
「一生懸命に仕事をすれば、あなた自身の人生設計も実現します」
こういうことがあって、初めて「頑張ろう」という気になります。
それを本気で考えていない会社は挫折します。
会社の経営指針(図の左側)を会議などによって社内に浸透させ、経営指針に沿った形で社内の仕組みづくり(図の右側)を進めていく。
これが企業活動の基本であり、会社経営の基本です。
こうして全体がうまく回っていくと、
その結果として、「企業の存続と成長発展の基盤の確立」(図中央下)ができ、それによって当初の目標である「経営者の夢の実現と社員のライフプランの実現」が実現するのです。
この図の左側が攻めの経営、あるいは外部のブランドづくりで、ここが社長の仕事です。
図の右側は守りの経営、内部のブランドづくりで、この部分が社長夫人の役割です。
攻めの経営の基本は、しっかりした「経営指針」を立てることです。
経営指針は、まず経営理念をつくり、それに基づいて具体的な経営基本方針(経営戦略・営業戦略・営業管理)が出てきます。
これらを整理して文書にしたのが経営計画書です。
会社の経営はすべて、この経営計画書に基づいて決定し実行するのが原則です。
ところが、実際には、社長自身が経営計画書を無視して、そのときどきの思いつきで判断したり決定したりしています。
ここはぜひ改善したいところです。
ここまでが社長の仕事です。
経営計画書を実現するのは社内組織です。
その体制をきちんとつくる。
これが図の右側の「仕組みづくり」としてまとめてある部分です。
この仕事には、人財の育成、業績管理、経営環境の整備、人事組織の4つの柱があります。
これらが守りの経営として、社長夫人が担当する仕事です。簡単に紹介します。
・人財の育成
幹部社員を育成し、一般社員をレベルアップすることです。
大きな意味では、社長夫人の戦力化も、ここに含まれます。
・業績管理
要するに、お金の出入りをどう管理するかということです。
経理をまかされている社長夫人は多いと思いますが、日常の出入金処理以外に、決算処理のスピード化、経営に役立つ資料づくりへの取り組みが必要です。
・経営環境の整備
一口に言えば、「業務の効率化」です。
仕事の流れを整理し効率よく仕事ができるような仕組みにすること。
社員ごとの役割分担を明確にすることも重要です。要点は、第5章で触れることにします。
・人事組織
社員に関する制度をどうするかということです。
社員の採用や適材適所の配置、就業規則や社内ルールの作成や整備など基本的な内容に加えて、評価のシステム、さらに賃金体系の確立などもあります。
大まかに言って、以上の4つが社長夫人の仕事です。
かなり幅広く、しかも高度な仕事です。
社長夫人の皆さん、いかがですか?
「とても私には無理」と思う人が多いと思いますが、何も最初から4つの仕事すべてに手をつける必要はありません。
社内体制の状態、最優先の課題、不足部分などは会社によって異なります。
社長と一緒に4つの仕事という観点から分析して、会社にとってもっとも必要なことを見つけて、それを優先課題として取りかかればよいのです。
取り組みの成果が出るまでには時間がかかります。
じっくり取り組み、一つひとつ実現していきましょう。
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