皆さん、おはようございます。
【これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!】の著者で社長夫人戦力化コンサルタントの矢野千寿です。
社長がほしいのは、もっと詳しく細分化されたデータです。
会社が病気になったとき、どこが悪いかがわかるようでなければ意味がないのです。
そこで必要になるのが「管理会計」です。
外部に広く公開することを目的とする財務会計に対し、
管理会計は企業内部の意思決定や経営判断に役立つ情報を提供することを目的としており、
「企業会計」とも呼ばれます。
制度会計も管理会計も、一定期間内の収支を計算して、利益や損失を計上し、
財務状態を明らかにするという作業は同じです。
ただし、どこに焦点を当てるか、どこまで細かく分けて見るかが違います。
制度会計とは異なり、管理会計の場合は、形式も、勘定科目も、その企業が独自に設定してかまいません。
もちろん、制度会計によってつくられた決算書と、管理会計でつくられた資料の数字が違うというようなことがあってはいけません。
しかし、売上の総額は同じでも、管理会計の場合は、必要に応じて「市場別」「顧客別」「商品別」「部門別」というように分類することができます。
管理会計は、制度会計を経営者の視線から分析するための補助資料と言えるでしょう。
残念ながら、そこまでやってくれる会計事務所はありません。
ですから、会計業務のすベてを会計事務所などに任せていると、
社長が何より必要とする管理会計の資料を得ることができないのです。
私が「社長夫人は自分で決算すべし」と主張する理由はそこにあります。
経理事務や制度会計なら誰にでもできます。
でも、社長が求める資料を提供できるのは、社長の頭のなかまで熟知している社長夫人だけだからです。