皆さんこんにちは、矢野千寿です。
人を育てる基盤は相手との信頼関係です。
社員とのコミュニケーションを深めることが信頼関係をつくる基本です。
「コミュニケーションをとる」というと、言葉のやりとりだけを考えがちですが、行動面も同じように重要です。
たとえば、挨拶をする、声をかける、ほめる、アドバイスをするなどは、言葉を伴いますが、それ以上にこうした行動をとることに意味があります。
相手への働きかけは、相手に対する好意や関心をアピールするからです。
挨拶や声かけは、その気になれば、すぐにでも実行できます。
相手に近づき相手をきちんと見て、相手と目を合わせて言葉をかけます。
こちらから近づくことが肝腎です。
3つの斎場を持つ葬儀社で専務取締役として活躍する社長夫人は、「私は、今年からできるだけ社員の皆さんに近づこうと決めました」と言って、積極的に挨拶や声かけを始めました。
社員の誕生日には、メッセージを添えてプレゼントを贈るそうです。
ある設備管理会社の業務は浄化槽の清掃が中心。
いわゆる3Kの仕事に励む社員をサポートしようと、社長夫人はいろいろな心づかいをしています。
ほとんどの社員は外回りに出るので、冬ならば温かいお茶を、夏ならば冷たいお茶を氷と共にポットに入れ、それぞれの社員に毎日持たせています。
夕方は夕方で、疲れて空腹で帰社する社員のために、毎日、近所の焼きたてパンを買って用意しています。
社員の制服の洗濯もすべて社長夫人がしています。
こうした地道な努力を10年以上続けた結果、社長夫人は専務取締役として一目置かれるようになり、幹部会議にも参加できるようになったそうです。
自分の意を汲んでくれる社員も育ち、利益も右肩上がりで推移しています。
建築会社の社長夫人は、ときどき自宅で作ったカレーを会社に運び、社員に夜食としてふるまい喜ばれていると言います。
社員に近づき人間関係をつくる手段は、いろいろあります。
自分にできること、得意なことから始めてはいかがでしょう。