皆さんこんにちは、矢野千寿です。

社長と社長夫人との話し合いの中で、社長夫人が目指す方向がはっきりしたとします。

日々の仕事に変化が出るし、新たな勉強も必要になります。

一朝一夕に頭には描いたようにできません。

多くの社長夫人を見てきて、私は、最初に考えたことがあらかた実現するまでの期間を「ほぼ2年」と考えています。

そのくらいの年月がかかるのが普通です。

社長夫人自身も社長も、焦らずにじっくり取り組むことです。

仕事や勉強していくうちに、目指すタイプが変わることもあります。

建設会社の社長夫人は、新規事業であるカーテン・ショップを任されることになりました。

カーテン・ショップはもともと社長の長年の夢であり、同時に、大手企業の下請けからの脱皮という展望を担うもの。

少しずつ準備をしていたのが、ようやく実現に漕ぎつけ、社長の考えで、新会社の社長に社長夫人が就任したのです。

社長夫人はもとの会社で総務部長として仕事をしてきた「経営支援型」のタイプ。

それが会社を任されることで、「積極的経営参加型」、さらには「自立型」への変身を迫られることになります。

兵庫県の神戸にある会社の社長夫人は、もともと会社を手伝っていたのが、仕事が杜撰なせいで会社を辞めさせられ専業主婦をしていました。

夫婦仲は破綻寸前。

会社も、売上げが一時より半減するという厳しい事態になっていました。

それでも、社長が家に入れる給料は前と変わらず、生活に変化はない。

子どもが大学に入るときには多額の入学金もポンと用意してくれたので、社長夫人は会社が状況をまったく知らずに過ごしていました。

ところが、社長の勧めで経理の勉強をすることになり、会社の苦境を知ることに。

「こんなになっているとは思わなかった」ということから、自分の身勝手さに気づき、「せめて秘書型になれるように努力しよう」と決意しました。

最初は比較的負担の軽い「秘書型」からスタートし、勉強をしながら徐々に「経営支援型」に移行し、さらに力をつけたら「積極的経営参加型」を目指すというように、段階的にステップアップする方法もあります。

社長や社長夫人の考え方や能力、会社など状況などに応じて、そのときに適したタイプに変化する必要が出てくること珍しくありません。

このあたりは柔軟に考えればよいでしょう。

どのタイプであれ、仕事を全うすべく学んだこと、努力した経験は、他のタイプに変わっても必ず役に立ちます。