こんにちは、矢野千寿です。

社長夫人の中には、中途半端に会社に関わる方がいます。それだけはやめてください。

先日、社長夫人には、5つのタイプがあるとお伝えしました。再度復習です。

・積極的経営参加型  会社の経営計画や経営戦略に積極的に関わり、実質的に経営に参加しているタイプ。肩書きの有無に関わりなく、会社の業務執行の意思決定を担う「取締役」としての役割を果たしている社長夫人です。

・自立型  自らが社長として会社を経営しているタイプです。新事業を担う別会社の経営を任されたり、社長の死や病気などで会社の経営を引き継いだりする場合には、社長夫人が社長となる例が多いものです。

・秘書型  仕事に100%関わるのではなく、社長の雑務や社員の福利厚生面、社員の家族への配慮などを担当しているタイプです。パーティーや会合など公的な場に、社長と一緒に、あるいは社長の代わりにひとりで出席するという大事な役割もあります。

・専業主婦(型) 文字通り、会社にいっさい関わらずに家庭を切り盛りしているタイプです。夫である社長の健康管理や精神的な支えになるなど、間接的な形で会社を支えていると見ることもできます。

さて、この社長夫人のタイプ分けは、社長夫人のあり方を的確に捉えるのに役立ちます。

いま現在、どのタイプかがはっきりすれば、課題も見えてきます。

現状のタイプで仕事をするにしても、他にやるべきことがないか、何をしたらよいか検討する手がかりになります。これから社長夫人が目指すべき方向をイメージして、目標を明確にし、具体的にすることができます。

さて、 「専業主婦」以外で、もっとも多いのは、何型でしょうか?「経営支援型」のタイプです。毎日、経理の帳簿をつけているだけの社長夫人です。経理の事務員としての仕事です。

「経営支援」と言ってもこの程度で、人材育成や業務改善などにはなかなか手が回らないのが実態でしょう。ついで、「秘書型」「積極的経営参加型」が多く、「自立型」の社長夫人はごく一部です。

では、5つのタイプのうちでビジネス上のパートナーとして社長を支えられるのは何型でしょうか?

「積極的経営参加型」です。会社を伸ばすのは、このタイプの社長夫人です。

「経営支援型」が過去や現在に関する仕事が中心なのに対して、「積極的経営参加型」は会社の将来に目が向いている点に、大きな違いがあります。「積極的経営参加型」の社長夫人の仕事は、過去や現在の処理ではなく、将来を見据えた内容が中心になります。

どのタイプを目指すか、どのタイプが可能かは人によって異なるのは当然です。

社長の考え方、社長夫人自身の考え方、会社の状況、家族のあり方など・・・多くの条件が関係するので、すべての社長夫人が「積極的経営参加型」になるべきということではありません。

「うちの妻には秘書型でやってほしい」「私は専業主婦でいきたい」これでもよいのです。何よりも大切なことは、社長夫人が実行したいことがはっきりしていることです。

ただし、どのタイプでも、夫を社長に持つこと、自分が社長夫人であること、その立場を無視できないことは自覚していただきたいと思います。

たとえば、「秘書型」であっても、公的な場に出ることがあります。このようなとき、社長夫人という立場は非常に重要です。社長と社長夫人が並んでいるとき、周囲の人は、社長より社長夫人に注目するものです。社長夫人としてそれなりのふるまいを示さないと、「社長は立派なのに、奥さんはこんななの?」と思われてしまいます。常日頃から、おしゃれをしたり、さまざまなことを学んだり、人間的成長を心がけるなど、社長夫人として磨きをかけることが大切です。

「専業主婦」も同じようなところがあります。帰宅した社長が会社のことを話したり、愚痴をこぼしたりしたとき、「私には会社のことはわかりませんから」と言って済ますのは、どうでしょう。家庭は社長にとって癒しの場であるはずなのに、妻の反応がこれでは少しも癒されない。これでは困ります。

会社のこと、経営のこと、広く社会のことなどを学んでください。社会的な知識や見方が身につけば、よりよい形で社長を精神的に支えることになります。一見、会社とは無関係な専業主婦であっても、夫である社長を介して会社と関わっているのですから。

社長夫人と言っても十人十色です。5つのタイプの中から選んだ、タイプを徹底してください!